SHIGA
×
Web designer
×
U-TURN

人との出会いが街へのイメージを変えた。 地域情報サイト「ナガジン」運営は、暮らしの一部に。

職業
WEBデザイナー
Uターンルート
滋賀→東京→滋賀
お名前
村上裕一さん
URL
村上デザイン事務所(アドレスはナガジン)



今回お話をお伺いしたのは、村上デザイン事務所「ナガジン」の村上裕一さん。

ナガジンのキャッチコピーは、“滋賀県長浜市の「!」が見つかるWebマガジン”。長浜の情報を探す中で、サイトを見つけたという人も多いのでは?

ナガジン編集長の村上さんに、Uターンのきっかけや「ナガジン」立ち上げの理由、今後の目標についてお伺いしました!


滋賀→京都→東京。10年間の東京暮らしを経て、地元にUターン。





滋賀県内の高校を卒業後、京都にあるデザイン関係の学校に進学。その後、東京へ。グラフィックが好きなことから、ポスターやパッケージをつくりたいと考え、印刷物メインのデザイン会社に就職。

勤務先は、製作会社と広告代理店。途中からWebデザインを担当することになり、HTMLやCSSについて勉強しました。

東京暮らしも10年が経ち、ひとくぎりの気持ちもありましたね。遠距離の彼女ができて、不便さを感じると同時に「帰りたい」という気持ちに。仕事を辞めたい。でも、辞めてどうしよう?と。


何も決まっていない状態で、退職届を提出。周囲にも驚かれたとのことですが、東京が嫌いになったわけではないため、Uターン後も交流は続いています。



実は、フリーランス として働くつもりは全くなかった。


個人事業主、フリーランスとして働くつもりは、全くなかったという村上さん。県内企業の求人情報を見て、いくつも面接に足を運んだそうです。

来てもいいよとか、能力不足だとか、いろいろ言われましたが、せっかく10年間デザインの仕事をしてきたので。1回ちょっと自分でやってみようかなと。

まずは帰ろう。帰ってから就職しようと思っていましたから、起業は全くの予想外(笑)。

最初の頃は、特に東京時代の人たちが「元気?」と連絡をくれて、助けてくれました。あとは、Uターン後にちょうどいいタイミングで良い出会いがあったことも大きいですね。





ナガジン公開から半年後、開業届を提出。



個人事業を始めるにあたり、多くの人が提出する開業届。村上さんの場合は、2013年11月にナガジンを公開。その半年後に開業届を提出しています。

もともと、東京勤務時代から、自分から何かを発信できひんかな、と思っていたんです。会社の仕事も年数を重ねることで慣れてくる。昼休みにいろいろ考えていたので、ずっと構想はありましたね。

ナガジンの始まりは、仕事を個人で受けながら、これまで学んできた技術を自ら発信するものって何かできひんかなと思ったこと。ナガジン公開と開業届の順番は、一般的には逆かもしれません(笑)


ナガジン読者の方はお分かりかもしれませんが、ひとつの記事を作成するにあたり、相当の時間がかかっています。村上さんのこだわりでしょうか?



職業病ですね。デザインをつくる人はわかると思いますが、ディティールにとことんこだわってしまうところがあります。ワカサギの記事はまさにドンピシャでした。


参考リンク:ナガジン 冬の余呉湖でワカサギ釣り体験をしてみた【初心者でもOK!】


5年ほど1人で活動を続ける中で、偶然出会ったのが、フォトグラファーの浅井さん。「ナガジン見たことあるよ。面白いね」との会話から、つながりが生まれます。

その後、村上さんが街を歩いていると、浅井さんとアイザックさんが歩いているところに出会い、ナガジンに関わる人はさらに拡大。

最初は、顔出しもしていなかったんです。浅井さんとアイザックさんが入ってから、浅井さんが僕に「出なきゃダメだ」と猛プッシュ。今は、自分が作ったものですから、先陣切っていかないという気持ちもあります。






地域サイト「ナガジン」運営のお金のはなしと将来の夢



地域情報サイト運営とお金の話についても、おたずねしてみました。

自分たちで事業を営んでいる方が「ホームページにこういうブログをつくりたい」と言ってくださって、つくらせてもらったことはありますね。「おもろいな」と言ってもらったことから、お仕事の依頼をいただいたこともあります。

記事を1本作成するかわりに広告を出稿してもらったことはありますが、ナガジン本体がお金を生み出しているわけではありません。



しかし、サイトを見た地域の人が、村上さんの本業である製作を依頼することも。地域情報サイトの運営は、長期的に続けることで、間接的ではありつつも、収入や仕事を生むともいえます。

ナガジンを運営するにあたっての目標、夢についてもおたずねしてみました。

最初の段階から、長く続けようと思って始めています。「まだやってんの?」と思われるくらいまでやりたい。これは誰かが言った言葉で、ええこと言うなって(笑)。趣味のひとつ。もし、収入になったらラッキーくらいの気持ちで続けていきたいですね。





人との出会いが変えた“地元へのイメージ”



東京に行き、ふたたび滋賀県に戻ってきた村上さん。「もういやや、こんな田舎」と思っていたはずのまちに対して「おもろいな」と思うように。10年前とは、見る目が大きく変わったといいます。

その理由は、いろいろな人たちとの出会いだといいます。

Uターン直後は、地元に帰ってきた方たち、同世代の方たちとの出会いがありました。お仕事を紹介してもらったり、一緒に飯行ったり、飲みに行ったり。これは、ナガジンとは全くの無関係の出会いです。

もうひとつは、ナガジンをやったからこその出会い。当時は家が米原にあったので、米原から長浜に通って取材みたいなことをしていたんですよ。そこで出会いが増えました。通えば通うほど、知り合いが増えていろいろな人と遊ぶように。

友達が増えたことで、地元へのイメージが大きく変わりました。






滋賀県にUターン後、地域情報サイトを始めたい人に伝えておきたいこと



最後に、村上さんに地域情報サイトを始めたいと思っている方に対して、伝えたいメッセージをお聞きしました。

ブログでも地域情報サイトでも、もっと増えたらいいのにというのが正直なところ。もっともっといろんな切り口があってもいいなと思っています。みんながどういう風な視点で書くのか、すごく興味がありますね。

これから帰ってくるという方。もっともっとやってもらいたい!あぁ、こんなんあったんやって言わせてほしい。めっちゃその切り口いいな、目のつけどころいいなって思いたいんです。

そうすると、もっと自分も頑張れそうだなと(笑)。

実際、もうやめようと思うこともありましたよ。「やめよう」「やろう」「やめよう」「やろう」の繰り返しを過ぎて、今は平常心ですね。もう、暮らしの一部です。



取材を終えての感想

地域サイト・ブログの運営は、最初のモチベーションだけではなかなか難しいもの。しかし、間接的に仕事に利益をもたらしてくれたり、「趣味のひとつ」「暮らしの一部」と言えたりすると、末長く続けていけるような気がします。Uターン後、人との出会いを求めている人は、サイト・ブログ運営から始めてみるのも良さそうです。

ノーカットのインタビューの音声を聴く