海外の雰囲気を滋賀へ。 やると決めたら行動に移す原動力が成功の秘訣。
当時、京都のカフェばかり行っていたので「オシャレなお店を滋賀に出してよ」と言われ「じゃあ、出すわ」と。即決してすぐに東京に行きました。21、22歳のころですね。30までには滋賀で店を出すと決めていたので、周りにも独立の意思は伝えていました。7〜8年正社員として働き滋賀に戻り、開店準備を始めて、今に至ります。
飲食の勉強でニューヨークのブルックリン付近に行き、4〜5日で70店舗くらい回ったんです。先輩が「飲みに行くぞ」と声をかけてくださり、連れて行って貰った先は、小さなハンガーガー屋さん。どこで飲むのだろうと思っていたら、奥に隠し扉があり、パスポートを見せるとその中に入れてもらえるシステム。中は、想像以上に広いバー。そして満席。感銘を受けました。
このコンセプトで、日本でやりたい。そう思い、アメリカの禁酒法時代から続いているお店を調べ、片っ端から回りました。
それから、よく言われるこのキャパも、個人事業主として大手さんに勝つために何ができるのかを考えた結果です。サービスや美味しさも大切ですが、それらは目に見えない部分。いくら一番だと言っても伝わりにくく、下手をすれば自己満足になってしまいます。それなら、広さで勝負しようと。関西の中でも広い、滋賀県では一番広いレストランをつくろうと思いました。
禁酒法時代のバーをモチーフにしているので、あえて駅前や国道沿いを避けました。店名も「隠れ家倉庫」という意味。隠れ家で売っているので、お店の名前も覚えてもらいたくないと思い、わざとTHE HIDEAWAY FACTORYと、長ったらしい店名にしました。「あの倉庫の店行こう」と言ってもらえればいいかなと。
東京で働いていたときにも、店舗立ち上げを経験していました。ただ、イメージを上手く伝えるのはとても難しい。作って貰ったけれどイメージが違うので、作り直してほしいというのは気を使います。
それから、コンセプトが古い倉庫ということもあり、アメリカ人特有の粗雑さもあえて入れたいと思っていました。あえて床やテーブルにも隙間を作っています。ただ、おそらくプロの職人さんからすると「隙間は・・・」となるでしょう。価値観を擦り合わせるよりも、自分たちでやったほうが早いと思い、DIYに踏み切りました。昼夜問わず、作業を進め、3ヶ月半ほどで完成しましたね。
そのDIYの時も東京から2人引っ張ってきて3人で工事したのですが、本当に助かりました笑
滋賀県にUターンした今、改めて感じるのは、オシャレなお店が増えたということ。住んでいた当時は、滋賀県にはチェーン店が多い印象で、正直京都にばかり行っていました。ただ、今は、インスタでも琵琶湖の見えるカフェなども増えてきて、盛り上がってきていると感じます。
自分が楽しめる仕事をすること。他の人から見ても魅力があり、なおかつ自分が楽しめる仕事。お金儲け、ビジネスという部分には、あまり意欲はないかもしれません。今も、日本や飲食といったカテゴリにとらわれず、新しい仕事を増やしていきたいなと思っています。
ただ、先のことはあまり考えていません。「先のことを決めてから行動しろ」と言われますが、やりたいことを計画的に考えるタイプではありませんね。やりたいと思ったら、やるという感じ。やらないとわからないし、それは自分の経験と相談です。やりたいと思う中で、無理やなって思うことももちろんあります。THE HIDEAWAY FACTORYに関しては、上手くいくイメージがあったので。
基本的に弊社のコンセプトは、予想を超えるということ。レストランの味、サービス、全て予想を超えた先には感動がある。感想を人に広げたくなる。だから予想を超える内観外観を目指し、実行しました。
人の相談に乗ることもありますが、私自身はあまり悩まずに来たので「やりたいことがあるなら、やればいい」としか言えません。アドバイスでも何でもないですね。
もちろん人に聞くことでリスクを減らすことはできるかもしれませんが、私は逆に人に聞くことをやめました。聞いて否定的なことしか言われなければ、不安になってしまいます。それならば自分の熱量が冷めないうちにやってしまったほうがいい。
人生一度きり、これは本当に実感しています。